老後破産にならないためには

近年、高齢者の貧困が増加し、「老後破産」が社会問題となっています。

とはいえ、老後破産という言葉を知っていても、詳しくはわからない方も多いと思います。

そこで老後破産とはいったいどういう状態を指すのか、老後破産にならないためにはどうすればいいかを解説します。

老後破産とは

まず老後破産とはどういった状態を指すのかというと、文字通りの「老後に自己破産する」事だけを指すわけではありません。

家賃や生活費、医療費といった月々の支出が年金等の収入を超えてしまっている“破産状態にある”高齢者すべてに当てはまるものとなります。

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なぜ老後破産になってしまうのか

この問題を考える時に「現役時に低収入だったからだろう」とあまり自身の問題と捉えない方も多いですが、その考え方は危険であるといえます。

事実、働いていた際の年収がそれなりに高かった方が老後破産に陥ってしまうケースが現状後を絶ちません。

なぜそうなってしまうかといえば、定年後にも住宅ローンの支払いが続く状態で年金やパート代では賄えなくなってしまうケースや、定年前に介護離職を余儀なくされ結果として貯金が底をついてしまったりとその理由は様々です。

特に多いと思われるのが、老後の生活にかかるコストを甘く見積もっているケースです。

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「老後は細々と暮らせればいいや」と思っていても、老後の生活は意外とお金がかかるものです。

月々の支払が計算上は年金で賄える状態であっても、高齢ともなれば病気にもかかりやすくなりますし、パートナーのどちらかが要介護となってしまうリスクもあります。

また親族のお祝い事や、葬儀や法事などで特別な支出があって大きく赤字となることも考えなければいけません。

その他には熟年離婚なども老後破産に陥りやすい原因といわれます。

このような支出の変化や、不意の事態に備えていないと誰しも老後破産のリスクに晒されてしまうわけです。

老後破産に陥らないために

では、このような老後破産に陥らないためにはどうすればよいのでしょうか。

まずは当然ですがしっかりと老後に備えて貯蓄しておく事が重要でしょう。

あくまで目安ではありますが、少なくとも1,500万円ほど用意しておくことで、夫婦ともに無職であっても少々の赤字がカバーできる金額となります。

そして極力、定年でいきなりすべてをリタイアしてしまう気持ちでいるのもあまり良くないかもしれません。

今は高齢者の雇用も少しずつ活発になっていますし、あなたのスキルが活かせる所もあるかもしれません。

「まだまだ現役」と思っていることで必要な時に働ける状態を維持しておくことは大切です。

またあまりに隠居状態になってしまうと、動かないことから病気のリスクも高くなります。

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もし、老後に働かない場合は、基本的にお金は増えず減っていく一方なのは確実なため、ギリギリの収支にならぬよう、不要な支出は削ることが必須です。

例えば夫婦で一台ずつ車を所持したりしているとその維持費も大きくなります。

そのように恒常的に出て行く支出から必要のないものや過度なものは削っておくことが大切です。

そして住宅ローンなどがあり、それが老後にも残る計算の場合ですが、やはり老後にローンなどを抱えると大きなリスクとなります。

そのためできるだけ現役時に繰り上げ返済などを多く行なうことで現役の間の完済を目指すのがいいでしょう。

このように老後破産は何も低所得者層だけのリスクではなく、多くの方にとって身近で考えなければいけない問題です。

幸せな老後を送れるように、ぜひ備えは万全にしてください。