人生の振り返りに「お遍路」を

中高年を中心に人気の「お遍路」。

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中でも「四国八十八ヶ所霊場」と呼ばれる88ヶ所の寺を回る四国遍路は、トライする人も多く、情報も充実していることから、一度やってみたい!という方も少なくないでしょう。

そもそも、「お遍路」とはどういったものなのでしょうか。

「お遍路」とは

お遍路は、「巡礼」と呼ばれる種類の旅の一種です。

巡礼と言うと皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか?

海外の宗教者が行うもの、というイメージを抱くもおられますがこの「巡礼」、実は日本でも平安時代から行われている歴史の長いものなのです。

なぜ四国にお遍路を行うようになったかというと、実は古い日本では四国は海の彼方にあるという、神道でいう「根の国」や仏教の観音菩薩が住まう浄土へ至る道であると考えられていたことに由来します。

平安時代後期の「梁塵秘抄」にも、室戸岬が金剛浄土の入り口とあり、当時の人々にとってお遍路は仏教の修行の一環であったことが伺えます。

その後、弘法大師空海を「お大師様」として崇敬する文化が庶民にまで広まると、お遍路はそれと融合して「庶民による集団巡礼ブーム」の担い手となります。

今の私達にとってお遍路は仏教の修行という意味合いは薄れましたが、人生を見つめなおすきっかけをもとめてお遍路に望む人は多く、1000年の歴史を経た今でも多くの人によって愛され続けています。

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近年ではバスツアーによるお遍路が主流

さて、お遍路というと、「お遍路さん」の衣装を着て歩いてお寺を回る姿が有名です。

ですが、生活にゆとりの出てきた世代にとって、すべての寺を歩いて回ることは体力的にも厳しいもの。

このため、近年ではバスツアーによるお遍路が主流を占めつつあり、歩いてお寺を回ることなく、お遍路を体験できます。

自家用車、タクシー、自転車などを活用する人もいますし、「歩き遍路」だけがお遍路ではないのです。

あの特徴的な衣装も実は必ず揃えなくてはいけないというわけではありませんし、納経帳や線香といった参拝時の持ち物も、自分のやりたい参拝方法に合わせてで構わないという、大変自由なものです。

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また、宗教的巡礼を背景に持つお遍路ですが、現代ではお遍路をしたい!という気持ちさえあれば、信心の深さや宗派を気にする必要もありません。

お遍路に行った多くの人は、旅の後に深く人生と向き合うことが出来たという感想を持つと言われています。

これまでの人生の振り返りに、ぜひお遍路に取り組んでみてはいかがでしょうか?