株式会社 Mマート/代表取締役 村橋孝嶺さん・60歳でインターネットビジネスに参入して、75歳でいよいよ株式上場へ。夢実現の原動力とは・・?
還暦を過ぎてからの起業(東洋経済ONLINEより引用ココより↓)
同社は数々の飲食業経営に携わってきた村橋孝嶺氏が2000年に創業した。1936年生まれの村橋氏は当時64歳。還暦を過ぎてからのネット事業立ち上げある。大学生の創業など若年層による起業が一般的なネットの世界では型破りだった。
なぜ、創業したのか。それは家庭の事情から高校を中退後、長年にわたる飲食業経営で得た「仕入れのむずかしさ」という実体験に基づいている。「たとえば米を街の業者に注文して配達してもらっても、品質が劣った商品になってしまっているという事態をいやというほど経験した。業者を変えようと電話帳で調べて連絡しても『最近、ウチはそちらの地域には配達していません』と断られた」。
そこで、村橋氏が目を付けたのがインターネットの中の食材卸サイトだった。さっそく、「サイトをみせてほしい」と連絡すると、「それには年間6万円の会員料が必要」と言われた村橋氏はその意味が理解できなかった。「食品スーパーに買い物に行っても、入り口で年間6万円の会費を払わないと中には入れないとは言わない」からだ。
「これはおかしい」と考えて村橋氏は「それならば、自分で卸売サイトをやってみる」ことを決断した。だが、当時、インターネットの知識は皆無に近かった。徹底的に専門書を読破して導き出したのは「情報の対称性こそインターネットの本質」ということだった。そこで、自社サイトでは商品の写真はもとより、価格、売り手の企業名、住所、電話番号、さらには担当者名まで公表。もちろん、会員料はなく、誰もが詳細まで見ることができるようにした。いってみれば、当時の「常識」に対するアンチテーゼのビジネスモデルだった。
「同業者からは、手の内をすべてさらし出すなど愚かだ。村橋はどうせ、失敗すると言われました」。だが、常識破りが成功したことは、今のMマートの業容をみれば明らかだ。
(東洋経済ONLINEより引用ココよりまで)
(これより村橋孝嶺さんへのインタビュー)
Q. なぜMマートを立ち上げようと思ったのですか?
「15年前にこの事業を立ち上げようと思ったのは、自分が困ったからです。自分が飲食店をやっていて思うような仕入れができない。従来ある仕入れルートでは、決まったものしか入らない。幅広い商品がなかなか探せないなど自分自身が困っていたからです。
私は長年飲食店をやっているのにこれだけ困っているのだから、若い人達はもっと困っているだろうと考えました。
「自分が何かやらなきゃしょうがないな」というのが最初のきっかけです。
それならばインターネットの時代だから、インターネットで仕入れができるようなものを作れば、みんなが助かるのではないかと考えました。つまり、自分が困ったことを解決しようというのが最初のきっかけです。多くの皆さんから「どうやったら事業で儲かるだろう」と相談されることも多いのですが、やはり儲けるためにやる事業っていうのはなかなか成功しない。そうではなくて、自分を含め世の中の人が困っているだろうと思うことを解決しようと、コツコツとやっていれば、いつの間にか利益が付いてくるというような考え方でやる人のほうがうまくいくんじゃないかと思いますね。
定年退職したりして何かビジネスをやりたいという人はいっぱいいるんですけども、儲けようとは思わないで、世の中で困っていることは何かないかな、と。たとえ、どんなニッチなものであろうと、世の中が困らないようにしていこう、そういう発想でやる人っていうのは、だんだんと大きくなっていくと思います。
私も最初から利益が出るだとか儲けるだとか、一切、度外視してやりました。ですからやはり肝心なことは、世の中に必要なことか必要でないことか、それが一番大事じゃないですかね。」
Q.一般の方が、ネット通販で買物をするのも不慣れで不安もあった時代に、インターネットを利用したBtoBサイトを立ち上げるにあたり、迷いや不安、躊躇はありませんでしたか?
「迷いとか不安とか、そういうことは一切考えなかったですね。自分自身が困っているし、そして自分より経験の浅い若い人はもっと困るだろうと。じゃあ、自分がやるしかないなっていう思いで始めただけであって、これで成功してやろうとか儲けてやろうとかいう気持ちもなかったし、うまくいくかどうか、なんてこともあんまり考えなかったですね。
まだネットそのものが一般的ではなかった時代で、私はそれまでパソコンも見たことなかったし、ネットも見たことなかった。やると決めてから初めてネットというものを見たし、パソコンも初めて見ました。でももう、やることだけは決めていました。
みんなね、若い人でないとインターネットが利用できないって思っているけど、これは全くの間違いです。むしろ中高年の人のほうが、世の中のことをよく知っているわけですよ。なにをどうしたらどうなるかっていうことを知っている。
インターネットっていうのは単なる道具にすぎないわけですから、例えばトラックの運転ができないと運送会社ができないかと言ったら、必ずしもそうじゃなくって、トラックの運転もできないし、機械をいじることもできないけれども、立派に運送会社を経営している人はいるのです。
ツールの一つですから、インターネットっていうのも。それよりもむしろ、世の中の構造とか、構成とか、そういうものが分かっている中高年の方が、私はもっともっとネットの業界に参入すべきじゃないかと思ってますね。
ネットを使って、やりたいことをまずやったらいいと思う。最初から大きなことを考えないで、最初は自分で地道に始めれば、ネットの世界というのは役に立つものであればみるみる大きくなっていきますのでね。それにネットの世界は投資があまりいらないわけですよ。飲食店をやろうと思えば1件店を作るのに5000万とか1億かかります。しかしインターネットでビジネスする場合は、パソコンと電話が1本あればできます。それほどの投資が必要ないわけですから、もっともっと中高年の方が、ネットの業界に出てきて然るべきじゃないかなと思ってますね。」
Q.思いはあっても行動できない人に向けた行動していくための心構えについて、何かアドバイスがあったらお聞かせください。
「さっきも言ったようにね、これをしたら儲かるかとか、これをしたら成功するかとか、いう考えで始める人はだいたい失敗しますね。
そうじゃなくって、自分はこれが好きだとか、これが世の中に不足しているんじゃないかとか、これは世の中でみんな困ってるんじゃないかとか、そういうものを見つけて、それを最初は小さく地道に初めていけば良いと思います。ネットっていうのは非常に面白いツールですから、いいとなったらいっぺんにみんなが集まってきますんでね、だいたいこの業界ではね、2社くらいしか利益が出ないって言われているんですよ。
検索エンジンでもヤフーとグーグルしか使いませんよね。他にも検索エンジンいっぱいあるんですけど、2つしか使わない。
BtoCだったら楽天とアマゾンしか使わないとかね。そうやって、だいたい2社がのし上がっていく。なぜかって言ったら、比較できるからなんですね。
だから、すでに成功している業界っていうのはなかなか参入が難しいと。だからそうじゃなくって、まだまだ参入していない分野って山ほどあると思うんで、そういうのを見つければ、非常に面白いことができると思うんですよね。だから、成功しようとか儲けようとかいう気持ちじゃなくって、最初は世の中に必要じゃないかな、と思って始めることが一番大事じゃないかと思いますね。」(前半はここまで。後半に続きます。)